介護士がITエンジニアに転職したい場合、介護士のスキルが転職先でどのように活かされるのかを考えることが重要です。
そこで!
今回は、介護士がITエンジニアに転職する時に何をアピールしたら良いのか?また、そもそも介護士はどんなスキルを身につけているのか?をまとめていきたいと思います。
介護士からITエンジニアに転職した私の経験なども添えており、ここでしか得られない情報も多くありますので、ぜひ最後までお付き合いください。
この記事でわかること
・介護の仕事で身につくスキルとは?
・ITエンジニアになってどのように活かせるか?
・転職活動でどのようにアピールすればいいか?(例文)
介護の仕事で身につくスキルとは?
介護士は介護技術以外にどんなスキルが身につくのでしょうか?
まずは介護の仕事で身につくスキルを洗い出してみましょう。
介護の仕事で身につくスキルとは?
①コミュニケーション能力・・・適切な距離感でチームメイトと意思や情報を交換できる。
②チームワーク・・・目的達成のために複数人と協力して仕事ができる。
③気配り力・・・相手が求めている事を察して、先を見越した行動ができる。
④注意力・・・ミスがないように注意することができる。
⑤学習能力/情報収集能力・・・介助方法や認知症ケアなど、介護業務に必要な専門的な知識を学習できる。
ヘルパーorデイサービスor老健、どこで勤めているかによって身につくスキルに違いはあるかと思いますが、多くの介護士が無意識的に行っている事だと思います。
スキルがITエンジニアでどのように活かされるか
続いて、介護士が身につけているスキルがITエンジニアになった時にどのように活かされるのかを見ていきましょう。
コミュニケーション能力
人と関わる仕事の介護士はコミュニケーション能力が高い人が多いです。そして、ITエンジニアになってもコミュニケーション能力は重要です。
ITエンジニアになるとコミュニケーション能力は次のような場面で活かされます。
コミュニケーション能力がどう活かされるか?
・チームメイトと協力しながら業務にあたることができる
・会議などで自分の考えを発信することができる
・分からないことがあった時に自分からアラートを発信できる
・トラブル発生時に速やかに報告・連絡・相談できる
・顧客のニーズを引き出すことができる
これらのことはITエンジニア達であればみんな共通して心がけています。
介護士もチームメイトとの協力やトラブル時の報告など共通のコミュニケーション能力を発揮しており、ITエンジニアになってもコミュニケーション能力は活かすことができます。
どのようにアピールすればいいか?(例文)
ただコミュニケーションを取れるという事だけでなく、”自分から積極的にコミュニケーションを取れること”をアピールしましょう。”ITエンジニアとしてどう活かせるのか”を表現することが面接で伝える時のポイントになります。

私の強みは、自分の気持ちや考えを発信することができるコミュニケーション能力です。介護の仕事では、自分が感じたことを職場仲間と共有し、サービスの向上に繋げることを意識していました。ITエンジニアになっても、よりよいサービスを提供できるような気づきや考えを発信しながら御社に貢献したいと思います。

私の強みは、分からないことがあっても積極的に誰かに質問したり、相談できることです。ただ分からないことを聞くのではなく、自分でどうしたらいいのか一度仮説を立ててから聞くことで、より理解を深めることを心がけています。ITエンジニアとして困難な場面に陥ったとしても、まずは自分で試行錯誤して解決を図ります。その上で分からないことがあれば、積極的に先輩方へ相談させていただきながら、チームの戦力になれるように成長していきたいと思います。
チームワーク
介護はチームケアが基本ですが、チームワークを発揮してきた経験はITエンジニアになっても活かすことができます。
ITエンジニアになってチームワークをどのように活かすことができるのかを見ていきましょう。
チームワークがどのように活かされるのか?
・自分の役割を認識し実行できる
・メンバーの意見や提案を理解して取り入れることができる
・チームの目標達成するために自分の意見を発信できる
ITエンジニアは一人ではなく複数人でチームを組んで協力してシステムを作っています。チームで仕事をする上で、メンバーそれぞれが自分の役割を認識して実行することが大切です。また、チームの目標達成のためには自分の意見を発信することも重要です。
介護士も一人ではなく複数人で協力しながら施設を運営しています。介護士のチームワークはITエンジニアと共通するチームワークのスキルを持っているのです。
どのようにアピールすればいいか?(例文)
どんな仕事でもチームワークは大切なスキルですが、アピールポイントとして伝えるには漠然とした印象になってしまいがちです。今の仕事でどのようにチームワークを発揮しているのか、ITエンジニアになったらどのようにチームワークが発揮できるのかを、少しでも具体的になるように伝えるようにしましょう。

私のアピールポイントは、チームの目標達成のために自分の役割を理解して、チームに何が必要かを考えながら動くことができる事です。今働いている介護現場(デイサービス)では、「稼働率90%」がチームの目標ですが、私は介護士として顧客満足度を向上するためにご利用者の介助だけでなく、自宅でもできるような運動を提案するなどをしています。このようにITエンジニアになっても、自分自身の役割を理解して、チームの目標達成のためにできることを一生懸命に取り組んでまいりたいと思います。

私はいつもチームメイトの意見や考えを受け止めて、良いと思ったものは積極的に取り入れることを意識しています。なぜなら、そうする事でチームメイトとの意見交換が円滑に進むようになるからです。また、自分の意見もチームメイトに発信していくことで、よりチームのパフォーマンスが向上していくと思います。ITエンジニアになっても、チームのパフォーマンスが向上するように、チームメイトと意思疎通をしっかりと行っていきたいです。
気配り力
介護士はいつも利用者に気を配っています。「体調は大丈夫だろうか?」「どうしたら喜んでくれるだろうか?」そんな風に相手に気を配ることができるのは介護士にとって大きな武器と言えます。
そんな「気配り力」がITエンジニアになってどのように活かされるのかを見ていきましょう。
気配り力がどのように活かせるのか?
・どうしたらユーザーがより使いやすいのか?を考えることができる
・他の人が読んでもわかりやすいコードや設計書を作成することができる
・付加価値のあるサービスを提供できる
ITエンジニアとは、ユーザーがより使いやすいシステムを作ることが仕事です。「どうしたらより使いやすいシステムになるのだろうか?」を考える「気配り力」を発揮することができれば、ITエンジニアとしてとても大きな武器になります。
どのようにアピールすればいいか?(例文)
気配り力とは介護士にとって大変大きな武器ですが、別業界であっても気配り力は大きなアピールポイントとなります。転職活動で伝える際に重要な事は、“「気配り力」がその仕事でどんな役に立つのか”を表現できることです。

私の強みは、お客様がどうしたら喜んでくれるのかという想像力を持てる事です。介護の仕事では、どうしたらご利用者にとって良いサービスができるのかを常に考えていました。ITエンジニアになっても、どうしたらお客様にとって使いやすいシステムを作れるだろう?という視点を忘れずに取り組んでいきたいと思います。

私は決められた作業をただこなすのではなく、お客様にとって付加価値のあるサービスを提供することを心がけています。例えば、ただ介助を行うのではなく、よりお客様に満足度していただけるように楽しいレクリエーションや簡単にできるリハビリなども合わせて提供していました。ITエンジニアにはプログラミングをしたり、システムを作る仕事ですが、ただ業務をこなすのではなく、どのようにしたらお客様が喜んでくれるのかを考えて業務にあたりたいと思います。
注意力
ここで言う「注意力」とは、自分の作業にミスがないか、他の人の作業に抜けや漏れがないか、注意を怠らない能力のことです。介護現場では病気や服薬の管理も必要なため、一つのミスが利用者の安全に影響してしまうことがあります。そのため、介護士は日ごろから注意を怠らないようにしている人が多いです。
注意力がどのように活かされるか?
・情報漏洩がないようにする(例えば、メールを送信する時には宛名に誤りがないか注意する)
・書いたコードに誤りがないか注意する
・報告・連絡・相談などの漏れがないか注意する
ITエンジニアでは情報漏洩などの人為的なミスのことを「インシデント」と言います。インシデントは、企業や顧客にとって重大な悪影響を及ぼす可能性があるため、各社でインシデント防止のための教育などに力を注いでいます。
インシデントを防止するという意味で、介護士が培ってきた注意力はITエンジニアなっても活かすことができるスキルなのです。
どのようにアピールすればいいか?(例文)
「注意力」をアピールする時は、ITエンジニアが抱えているリスクなどに触れながら伝えると、採用担当者にも伝わりやすくなるでしょう。ネットで「ITエンジニア インシデント」と調べてみると、ITエンジニアにとって人為的なミスが会社やお客様に大きな迷惑をかけてしまうことが分かると思います。ITエンジニアという仕事は、自社やお客様の大切な情報を取り扱う仕事なのです。その点に触れた例文を見てみましょう。

私は、いつも作業が終わった後、作業に誤りがなかったか入念に確認する事を心がけています。特に作業後のダブルチェックや指差し確認は習慣として必ず行なっていました。ITエンジニアはお客様の大切な個人情報を取り扱うため、自分の作業ミスによってお客様や自社に多大なるご迷惑をおかけしてしまう可能性があります。そのためITエンジニアになってもセキュリティ事故にならないように、これまで行っていた確認作業は継続していきたいと思います。
学習能力/情報集能力
介護士は、介護の専門的な知識を学習したり、利用者の病気を理解するために情報収集をするなど、学習能力や情報集能力を発揮している方が多くいます。介護福祉士や社会福祉主事任用資格、ケアマネジャーなどの資格取得する人も多いでしょう。
そんな学習能力/情報収集能力がITエンジニアになってどのように活かされるのかを見ていきましょう。
学習能力/情報収集能力がどのように活かされるか?
・新しい技術について情報をアップデートすることができる
・プログラミングに必要な知識を学習することができる
・業務で分からないことも自分で調べて解決することができる
IT分野の技術は日々アップデートされていますので、ITエンジニアも日々の学習や情報収集が欠かせません。また、業務中は自分の分からないこともたくさん出てくるため、自分自身で調べ物をして解決することができればとても大きな強みになるのです。
介護技術や資格取得を積極的に行っていた人は、ITエンジニアになった時も学習能力や情報収集能力を活かすことができるでしょう。
どのようにアピールすればいいか?(例文)
学習や情報収集を継続的に行っていかなければならないITエンジニアの特徴を理解した上でアピールするようにしましょう。こちらをアピールする際は転職活動中もITについて自己学習するようにしましょう。転職活動時点で自己学習している事も伝える事ができれば、大きなアピールになることでしょう。

私はご利用者により良いサービスを提供できるように、介護技術や医療的な知識について自己学習をすることを心がけていました。IT分野は技術が急速に進化していくため、自分から積極的に学習したり、情報収集することが重要と思います。私がITエンジニアになっても、チームがより良いシステムを作ることができるように、自己学習や情報収集をしていきたいと思います。
まとめ 〜介護士のスキルをITエンジニアとして活かそう〜
ここまでの内容を整理していきましょう。
●介護の仕事で身につくスキルとは?
①コミュニケーション能力
②チームワーク
③気配り力
④注意力
⑤学習能力/情報収集能力
●スキルがITエンジニアでどのように活かされるか
①コミュニケーション能力
・チームメイトと協力しながら業務にあたることができる
・会議などで自分の考えを発信することができる
・分からないことがあった時に自分からアラートを発信できる
・トラブル発生時に速やかに報告・連絡・相談できる
・顧客のニーズを引き出すことができる
②チームワーク
・自分の役割を認識し実行できる
・メンバーの意見や提案を理解して取り入れることができる
・チームの目標達成するために自分の意見を発信できる
③気配り力
・どうしたらユーザーがより使いやすいのか?を考えることができる
・他の人が読んでもわかりやすいコードや設計書を作成することができる
・付加価値のあるサービスを提供できる
④注意力
・情報漏洩がないようにする(例えば、メールを送信する時には宛名に誤りがないか注意する)
・書いたコードに誤りがないか注意する
・報告・連絡・相談などの漏れがないか注意する
⑤学習能力/情報収集能力
・新しい技術について情報をアップデートすることができる
・プログラミングに必要な知識を学習することができる
・業務で分からないことも自分で調べて解決することができる
私は転職活動で何をアピールすればいいか悩んでいました。
「介護の仕事を通じて自分は何を身につけたんだろう?」
どうしても介護技術に注目してしまいますが、介護士は介護技術だけでなく、社会人として様々な場面で通用するスキルを発揮しているのです。あなたがITエンジニアに転職する時は、介護の仕事を通じて自分がどのようなスキルを発揮していたのかを考え、ITエンジニアとしてどのように活かすことができるのかを考えていきましょう。
今回は以上になります。
ご精読ありがとうございました。